Q929

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修士2年の在学生です。
九州大学が進める、施設の命名権売却に反対します。石橋学長は

「命名権の売却益自体は小さくても、企業とウィンウィンの関係になれる取り組み。企業からの寄付や産学連携などにもつなげ、教育や研究にかかる費用を補いたい」※

とのコメントをしていますが、民間企業との間の財政面での利害関係を拡大することが学問の独立性を侵害する危険があると考えます。
売却益が些細であるならば、金銭の取引がある理由が見当たりません。額面によって大企業を優遇することにも疑問があります。

対案として下記を提案します。
【候補①】命名権の売却を廃止する
【候補②】「売却」ではなく「提携」のみにし、金銭の取引をなくす
【候補③】企業規模によって売却金額を調整する

※朝日新聞 2023/10/29 朝刊1面(東京版)

A929

本学が行う命名権売却について、ご意見ありがとうございます。新聞記事をきっかけに命名権売却を知っていただいたこと、嬉しく思います。
本学では、教育・研究環境の充実、人材の育成、社会貢献など、大学をより魅力的なものにしていくため、様々な方策により財政基盤の強化を図ることとしており、その一環として外部資金獲得の増加に取り組んでいます(※)。
施設命名権の売却については、総長コメントのとおり、1件1件の金額は大きなものではありませんが、それをきっかけに新たな寄附や産学連携といった、さらなる外部資金の呼び込みにつながることも期待されており、外部資金の獲得には大きな意味がある取組です。
ここでの「さらなる外部資金の呼び込み」については、契約に向けたやりとりの中で、本学の教育・研究に関する理解を深めていただき、新たな共同研究契約などへの発展を期待するものです。当該施設にロゴや企業紹介ポスターを掲示するなどの装飾を施すことを許可する、学内掲示物や印刷物に当該愛称を記載する以外に、命名権売却先の企業に対して何らかの便宜や利益供与を行うものではありません。
ついては、命名権の売却に伴い、ご懸念の学問の独立性に対する侵害は生じないものと考えています。
なお、命名権の売却にあたっては、当該施設の広さや用途などを勘案して希望額を設定の上、広く公募を行い、契約相手方と契約金額を競争により決定しており、ご提案の【候補③】に対応した形となっていることを申し添えます。
※厳しい財政状況の中で質の高い教育研究環境を確保し、大学の理念やアカデミックプランを実現するため、施設についても戦略的なマネジメントが求められており、施設命名権の売却はその好事例として、文部科学省「戦略的な施設マネジメント実践事例集2019」にも取り上げられ(本学の事例ではありませんが)、多くの国立大学で行われているものです。

(財務部財務企画課、施設部施設企画課)